20代で未経験だとIT業界への転職は可能なのでしょうか。
結論から申しますと、IT業界は成長産業でありながら人材が不足しているため、未経験であっても20代ならばIT業界へ転職できます。
ただし、いくら人手不足だと言っても、応募したら即採用というわけにはいきません。
本記事では20代の未経験者がIT業界へ転職できる理由と、転職を成功させるためのポイントや成功の理由、転職で気を付けるべき点について掘り下げていきます。
「未経験」からIT企業への転職を目指す際に知っておくべきこと

未経験からIT企業へ転職する際、どのようなことを知っておく必要があるのでしょうか。
今項では4つのポイントについて紹介していきます。
IT業界は今後どんどん成長していくが、人材が不足している
現代は第4次産業革命と言われており、AIやIoTなどのITの技術革命が日々起こっており、IT業界は更なる成長が見込まれています。
しかし、その成長に反して人材は圧倒的に不足していくのが現実です。
実際にはどれくらい不足しているのでしょうか。
2020年時点で30万人、2025年には約36万人の人材不足が見込まれ、年を追うことに人材不足が深刻化するといわれています。
成長産業でありながら、人材不足が深刻というのがIT業界の現実です。
年収は「〇〇万円」!
IT業界の年収はどれくらいになるのでしょうか。
IT業界の全体の平均年収は444万円で、性別だと男性が471万円、女性が386万円となっています。
20代 | 370万円 |
30代 | 498万円 |
40代 | 599万円 |
50代 | ~716万円 |
年代別だと上記の通りです。
ただしIT業界はエンジニアをはじめ、ITコンサルティングなどその業種は多岐にわたります。
事実、ITコンサルタントの平均年収は約928万円です。
またプログラミング言語なども様々な種類があり、業種や取り扱える言語によって年収に違いがあります。
引用:doda|平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】
年収UPが実現しやすい
未経験でIT業界に転職した場合、最初の年収はあまり高くありません。
しかし、制度がしっかりした企業であれば指定する資格を取得するごとに資格手当てがプラスされ年収を上げやすいです。
月の営業成績によるインセンティブや企業の査定といった不安定で不明瞭なものではなく、資格を取得すれば上がると明確化されているためモチベーションを維持しやすいといえるでしょう。
さらに、未経験でIT業界へ転職し実務経験を積んでプログラミングスキルを極め、より条件の良い企業へ転職したり、フリーランスになって大きく稼ぐといったことも可能です。
未経験から転職しやすい職種は「営業」「運用オペレーター」「Webマーケター」
IT業界に未経験で転職する場合、転職しやすい職種は下記3つと言われています。
①営業
ITシステムを営業するのも立派なIT業界への転職です。
IT業界未経験でも営業や接客経験ある方や、コミュニケーション能力が高い方は転職しやすい職種です。
②運用オペレーター
サーバーやネットワークの保守管理や顧客からの問い合わせ、障害が発生した時の対応が主な業務となります。
基本的にはマニュアルに沿って作業を行えばよいので、比較的転職しやすい職種です。
③Webマーケター
自社サイトの集客(アクセス)数・利用者を増やすためのマーケティングを行うのが業務です。
データをもとにマーケティングを考えるのが主な業務のため、Googleアナリティクス
といったデータ収集ツールを最低限取り扱うことができれば、未経験でも活躍しやすい職種といえるでしょう。
未経験からのIT転職を成功させるための3つの秘訣

IT業界への転職で知っておくべきことについて理解いただけたでしょうか?
次に、IT転職を成功させるための3つの秘訣について掘り下げていきます。
大企業よりも中小企業、ベンチャー企業を狙う!
未経験でIT業界に転職する場合、大企業よりも中小企業・ベンチャー企業を狙うと良いでしょう。
実は中小企業やベンチャー企業は1人あたりの業務量が広くなります。
幅広い業務を経験できるため、未経験でも短期間で多くの経験を積み、スキルを磨くことが可能です。
経営者との距離が近いためビジネスについても学ぶことができ、大企業よりも人数が少なく頑張りも評価されやすいため、モチベーション維持にもつながります。
転職に有利な資格を取る!
IT業界への転職を考えている場合、転職に有利な資格を取得するのも成功させる秘訣の1つです。
今回はIT業界に転職する際に、必須な資格を2つ紹介します。
①ITパスポート
ITの資格といったらITパスポートという方も多いのではないでしょうか。
ITパスポートはIT系の国家資格の中では一番簡単な資格となります。
平成30年度の合格率は51.7%と非常に高く、取得しやすいです。
ただITパスポートはIT関連の基礎知識とビジネス知識の取得が目的であり、社会人・学生に必要な基本知識に過ぎません。
そのため、ITパスポートを取得しても転職には有利にならないと言われています。
ただ基本的にはことは学べるため、全くの未経験かつ別業種からIT業界へ転職する方の、最初のステップとして取得するにはおすすめの資格です。
②基本情報技術者
IT業界に転職を考えているなら、まず基本情報技術者の資格取得がおすすめです。
ITパスポートよりもさらに深い知識を持っている証明ができる資格となります。
実践スキルを持っている証明にもなり転職に有利となるのでぜひ取得しておきたい資格の1つです。
転職エージェントを活用する!
未経験でIT業界について知らない方や、求めている人材が分からない場合は面接時に不利になりがちです。
そのような場合は業界を知り尽くし、IT業界への転職に詳しい転職エージェントに相談するのも成功率を上げる手段となります。
求人紹介だけでなく履歴書添削・面接アドバイスなど転職をトータルサポートしてくれるので闇雲に転職活動するより効率的です。
未経験からIT転職する際に起こしがちな失敗

人手不足が深刻化しているIT業界に転職しやすいと言っても、誰でも入れるわけではありません。
ここでは未経験からIT転職する際に起こしがちな失敗について3つ紹介していきます。
志望動機が弱い
志望動機が弱いと転職に失敗しやすいです。
面接を多く経験した筆者から言わせてもらえば、志望動機は会社が求めている人材なのか、会社で長く働くことができるか判断するための大切な指針となります。
そのため企業がどんな人材を求めているかイメージを持った上で、なぜ就職したいのか、就職したら会社でどんなことをやっていきたいのか、具体性のある志望動機を考えることが大切です。
IT業界の知識が身に付いていない
IT業界に転職する際、業界の知識が全く身についていないのも失敗する要因となり得ます。
未経験の方ですとIT業界の知識がなくて当然じゃないかと思われるも知れません。
ただどのような業界なのか、どのようなプログラミング言語があるのかはネットで調べれば知ることができます。
求人によっては使用するプログラミング言語が記載されている場合もあり、それらの情報を面接前に収集・勉強し、最低限の知識は身に着けておくことが大切です。
面接時にはITに関する質問を聞かれることが多いため、答えられないということがないようにしっかりと準備しておきましょう。
企業理念・方針を理解していない
転職に成功したいのならば、企業理念・方針をしっかりと理解しておきましょう。
企業理念・方針は企業がどんな人材を欲しがっているのかを知る大切な指針となります。
多くの企業は公式ホームページに企業理念・方針を記載しているため、どんな人材が欲しいのかしっかりとリサーチし、イメージを持った上で自分がその人材であるとアピールするようにしましょう。
企業理念・方針は志望動機を考える上でも非常に役立つ情報ですので、必ず目を通して下さい。
未経験からのIT転職成功率を飛躍的にアップさせる3つのポイント

前項で転職する際に起こしがちな失敗とその対処方法について紹介しました。
この項目では未経験からIT業界の転職成功率をアップさせるための3つのポイントについて見ていきます。
どのようなポイントを抑えておく必要があるのでしょうか。
できるだけ若いうちに行動に移る
一般的に未経験でIT業界へ転職する場合、求人の量が多いのは25歳までで、20代後半なるにつれて徐々に選択肢が狭くなっていきます。
それでも28歳頃までは長期のキャリア形成が見込まれるため一般的に需要があり、若さというポテンシャルで採用される可能性が高いです。
しかし29歳を過ぎると、企業は経験者やプロジェクト管理者を求める傾向があるため、29歳以降の未経験者は募集しないことがほとんどだと言われています。
そのため未経験の場合、選択肢を狭めたくない場合は25歳、遅くても28歳までには転職をするようにしましょう。
企業はより若い子を求めています。
転職を確実に成功させるためにも、IT業界に興味がある方はできるだけ早く行動に移しましょう。
プログラミングスクールで知識と実績を付ける
プログラミングスクールで最低限の知識と実績を身に付けるのも転職成功率を上げるためには有効な手段です。
プログラミングスクールで学習しておけば、基本スキルを習得出来ているため未経験でも転職成功率を上げることが可能です。
最近では転職先までサポートしてくれるスクールもあるので、本気でIT業界へ転職したいと考えている方は検討してみて下さい。
未経験でIT転職する際に、チェックしておくべき企業の特徴

IT業界への転職成功率を上げる方法をご紹介しました。
しかし、いくらIT業界に転職したいからといってIT企業の求人があれば手あたり次第応募してはいけません。
この項目では未経験でIT業界に転職する際に、チェックするべき企業の特徴について紹介します。
業績が安定しているか
転職する際は、業績が安定している企業であるかをしっかりとチェックしておく必要があります。
折角、IT業界へ転職できても倒産したり、リストラされては意味がありません。
そのため倒産・リストラのリスクがある企業かを見極めておくことが重要です。
教育制度がきちんと整っているか
未経験でIT業界へ転職する場合は、自主学習はもちろん、実務も平行しながらスキルを学ばなければなりません。
そのため、新人研修やプログラミング研修など基本を教えてくれる教育制度がきちんと整っている企業を選ぶようにしましょう。
せっかく転職出来ても、教育制度が整っていないばかりに仕事に付いていけずに退職するのはもったいないです。
そうならないように教育制度が整っているかしっかりと確認しておかなければなりません。
ブラック企業ではないか
ブラック企業ではないかもチェックしておきましょう。
最近では実際に働いたことのある方が企業の口コミを投稿し、職場環境をはじめ、福利厚生、休日はしっかり取れるかなどをチェックできるサイトもあります。
生の声を聞くことができるので応募前から会社の内情をある程度把握することが可能です。
IT業界へ転職できたのに会社がブラックだったということがないように積極的に活用して失敗を回避しましょう。
20代未経験からのIT転職を狙う人のよくある質問

ここまでIT業界へ転職する際のチェックポイントや失敗しやすいポイントを紹介しました。
最後になりますが、20代の方が未経験でIT業界への転職を狙う際、よくある質問をピックアップして紹介していきます。
疑問に思っている方はぜひ参考にして下さい。
転職に成功しやすい人の特徴は?
以前転職エージェントを利用した際に、エージェントの方から聞いた話によると、転職に成功しやすい人は明るく素直で謙虚な方だそうです。
自己分析、企業分析をする前にあなたが面接官の立場になった時に「これから一緒に働きたい!」思ってもらえるような人材になりましょう。
プログラミングスクールは通うべき?独学は難しい?
個人差はありますがプログラミングスクールに通った場合は平均3ヶ月くらいで最低限のスキルを習得できるのに対し、独学の場合は平均6ヶ月以上の時間を費やすと言われています。
またプログラミングスクールは先生などへの相談体制が整っているのに対し、独学は一人でひたすら勉強しなければなりません。
早くスキルを習得して転職したい方や、独学は無理だと思うのならばプログラミングスクールに通うことをおすすめします。
まとめ 〜【20代未経験からのIT転職】未経験からでもIT転職を成功させるための秘訣を徹底解説!〜
人手不足が深刻化しているIT業界は、未経験であっても転職できる確率は非常に高いです。
しかしながら、転職するタイミングや準備不足によって転職に失敗する可能性も非常に高いです。
20代後半・未経験でIT業界へ転職する場合、一気に求人数が少なる傾向にあります。
また、20代前半であっても企業分析や自己分析、ITの勉強を全くせず面接をしてしまうとせっかく若さというポテンシャルがあっても転職は上手くいきません。
仮に転職できたとしても企業分析していなかったばかりに、未経験入社なのに研修などの教育制度がない、サービス残業や長時間拘束が当たり前で休日がないブラック企業だったという可能性もあります。
効率よく失敗しない転職をしたいのならば、転職エージェントを活用すると良いでしょう。
独学でプログラミングが勉強できないというならば、プログラミングスクールに通って基本的なスキルを習得し、資格を取得しても良いです。
自身の年齢やスキル、置かれた状況をしっかりと把握することができれば転職は成功することができるでしょう。
この情報があなたの転職に少しでも役立つことができれば幸いです。